提供時にリベイクで焼きたての食感
おいしくてロスのない「業務用 冷凍パン」は飲食店の新常識

街にはベーカリーカフェが並び、おいしいパンとコーヒーをいつでも楽しめるようになりました。ホテルやレストランでの食事でも「焼きたてのパンが楽しみ」という人はたくさんいます。
食パンやロールパン以外の、職人にしか作れなかったおいしいパンを誰でも提供できるようになったのは「冷凍パン技術」が発達したからこそなのです。
目次
1.実は50年以上も前から続く、冷凍パンの歴史
2.焼成済み冷凍パンの商品化を加速したインバウンド需要
3.食品ロスへの課題意識で冷凍パンのイメージにも変化が
4.工場で焼きたてのままをすぐ冷凍
5.冷凍パンを焼きたてに!押さえておくべき「リベイク」の基本ポイント
6.パンの焼ける香りが漂う、おいしい香りのお店になれる!
実は50年以上も前から続く、冷凍パンの歴史
冷凍食品はここ数年で一般向け商品も増え、冷凍パンを冷凍のまま販売するお店や通販も多くなりました。でも実は、冷凍パンの技術の歴史は50年も前から始まっています。
かつて、パンは職人でないと作れないものでした。酵母の機嫌を取り、気温や湿度を測りながら発酵させ、職人の経験と感覚で焼き上げる。ベーカリーを経営するには技術の習得が必要だったのです。
深夜に起き出して仕込みをはじめ、早朝には数種類の焼き立てパンを店頭に並べなくてはなりません。焼きすぎれば売れ残りになり、仕込みが足りなければ夕方には開店休業です。

朝食の時間に間に合うように深夜から仕込みます。
ここに革命的な「冷凍パン生地」を開発し、店舗ではそれを焼き上げるだけにしたのが「アンデルセン」です。アンデルセンは日本のベーカリーチェーンの先駆けで、1970年ごろには冷凍パンに特化した工場を広島に建てました。
この冷凍パン生地の流通によって、従業員の技術修行や早朝業務を減らし、売れ行きに応じてパンの量を調整することもできるようになり、チェーン展開が可能になりました。
食パン以外のさまざまなパンを朝から食べられるようになったことで、日本のパン食は一気に加速したのです。冷凍パンがなければ、現在のベーカリーカフェブームはあり得ませんでした。
焼成済み冷凍パンの商品化を加速したインバウンド需要

朝食付きホテルのビュッフェには数種類のパンが並ぶ…はずでした。
冷凍パン生地や半焼成パンは比較的早期に全国のベーカリーやホテルに広まりました。そこから近年になって焼成済み冷凍パンが普及してきた一因には、宿泊施設のインバウンド需要があります。
日本を訪れる外国人旅行者は年々増加し、東京オリンピックを前にホテル建設はピークを迎えようとしていました。しかし、そのホテルレストランを支えるプロの料理人の数が圧倒的に足りません。経営的な観点からも正規雇用の料理人を多く抱えることは難しかったのです。
低価格帯のホテルの人材不足はより顕著で、朝食ビュッフェを早くムダなく種類多く提供する必要がありました。このことによって、焼成済みの冷凍パンのニーズはさらに拡大しました。
残念ながらコロナ禍によって外国人旅行者は停止し、ビュッフェ方式も縮小されてしまいましたが、多くの食品メーカーが冷凍パン市場に参入し、商品を拡大したことにより、多種類のパンを少量ずつ仕入れられる業務用商品は一気に増えたのです。
食品ロスへの課題意識で冷凍パンのイメージにも変化が
日本の食品ロスはおよそ年間600万トン(厚生省発表より)と言われ、解決すべき大きな課題として人々の考え方も変化しています。
ご存知の通り、パンの賞味期限はあまり長くありません。だから、家庭では「食べきれなかったパンを冷凍する」ということは行われてきました。そのためか冷凍パンには「家庭で仕方なく冷凍して食べている古いパン」というイメージが強かったように思います。
ところが食品ロスの問題が知られ、そこに「あえて急速冷凍した焼きたてパン」が登場したことで、この抵抗感は一気に解消されるようになりました。

「家庭や店で残ったパンを冷凍」から「焼きたてのうちに工場で冷凍」へ
工場で焼きたてのままをすぐ冷凍
パンは焼きたてが一番おいしく、そこから徐々においしさが損なわれていきます。これを「老化」と呼びます。でんぷんが糊化(α化)してふわふわ・もちもちした食感になったパンが、時間の経過とともにパサついて固くなる現象です。
油脂や砂糖などを加えて老化を遅らせる工夫をしているパンもあります。しかし、小麦粉と塩と水だけ、のようなシンプルなパンほど老化は避けられません。冷凍パンなら、余計な成分を加えることなく、そのパン自体の焼きたてのおいしさのままで時間を止めることができます。
「食べきれなかったら冷凍」から、「買ったらすぐ冷凍」へ。さらに「作った工場で焼きたてをすぐ冷凍」したパンへ。冷凍パンは、いつでもおいしく提供できるパンとして存在感を高めているのです。
冷凍パンを焼きたてに!押さえておくべき「リベイク」の基本ポイント

オーブンやトースターで焼きたてを再現するポイントは?
焼成済みのパンを焼きたてのような状態に戻すことを「リベイク」と呼びます。 「トースト」は、スライスした断面に新たに焼き色を付けるようなことを指し、リベイクはそれとは少し違います。
リベイクの基本ポイントは、高温のオーブンやトースターで短時間軽く加熱することです。ここからいくつかのコツをご紹介します。
リベイクは「高温で短時間」が基本
まず、オーブンやトースターを予熱しておくのが短時間リベイクの大事なポイントです。
加熱を始めると、冷凍で閉じ込めていた水分が解けてふわふわ・もちもちを取り戻しますが、冷えたトースターでは温まる時間がかかり、その間にパンの水分が飛んで行ってしまいます。

冷えたオーブンやトースターは使わず、必ず余熱!
冷凍のままリベイクしてOK
短時間でリベイクするためには、あらかじめ解凍しておくのがベターではあります。外が焼けても中が冷たいままだったりするからです。しかし事前に解凍することは、冷凍で封じ込めていた水分が蒸発していくことでもあります。
ロールパンやスライスされたパンであれば、冷凍のままからのリベイクで大丈夫です(冷凍状態から160℃のオーブンで4分程度:目安)。大きくて水分の多いパン(重いパン)の場合はあらかじめ解凍しておきましょう。
リベイク前の霧吹きで表面パリッ!

バゲットは霧吹きで皮に水を吹きかけてからリベイクします。
バゲットやフランスパンタイプのハードブレッドは、皮のパリッとした食感を蘇らせるのが大事です。
これをリベイクするときは、丸ごと霧吹きして濡らします。表面に乗った水分が一気に蒸発して、焼きたてと同じ状態を再現することができます。
パンの焼ける香りが漂う、おいしい香りのお店になれる!
パンは料理の脇役であることも多く、ライス同様にお代をいただかないこともあると思います。だからこそそのパンがおいしい、種類が楽しめる、というのはそれだけでとても高評価です。なによりも、パンの焼けるおいしそうな香りはそれだけで食事のシーンを楽しい気分にさせてくれるものです。
ベーカリーカフェのようなパンを主力商品にしている現場でも、多くの飲食店が業務用の冷凍パンを上手に活用しています。もう飲食店では冷凍パンのリベイク提供は常識。ぜひ、業務用の冷凍パンを賢く使って、リベイクで焼きたてのおいしさをムダなく無理なく提供してみてください。
「霧吹きリベイク」で皮がパリッとおいしく!ハードタイプの冷凍パン
小さな冷凍ロールパンもリベイク前の霧吹きでふわっ!

ソフトなロールパンも、水分を足すことで中はふわっと外はサクッとリベイクできます。
ソフトなふっくらタイプのロールパンも、霧吹きで表面に水分を与えます。
ソフトで小さなパンは、リベイクによってどうしても中の水分が失われやすいので、あらかじめ水分を補充するイメージです。中の水分が守られてふっくらもちもち食感を蘇らせる効果があります。
スライス済みの冷凍パンや焦げやすい冷凍パンはアルミをかぶせて
スライス済みのパンも、同様に霧吹きしてからリベイクします。スライス面からは水分が逃げやすいので、アルミを軽くかぶせてリベイクします。
※リベイクではなくトーストしたい場合は水もホイルもせずに香ばしく焼き色をつけましょう。

上火が当たりすぎないようアルミをかぶせます。

天板に乗せない場合は下火も当たるのでアルミで軽くくるみます。

小さいロールパンは霧吹きしてアルミをかぶせましょう。
小さいロールパンは、体積に対して表面積が大きいので、水分が失われやすいことがあります。霧吹き後にホイルで軽く包んでリベイクすると、ふっくらした焼きたて感が戻ります。
また、バターロールのような表面に卵が塗ってあるパンは、そこが先に焦げてしまうのでホイルをかぶせましょう。砂糖が塗ってあるパンも同様です。
冷凍クロワッサンは、リベイクしたら休ませる

クロワッサンはリベイク後に少し冷ますことでもっとおいしくなります。
クロワッサンやデニッシュなど、バターや油脂の多いパンは表面が先に焦げやすいので、アルミをかぶせてリベイクします。
そしてリベイクをしたら「2分ほど休ませる」のがコツ! リベイク直後はバターや油脂が溶けだしたアツアツの状態です。これが粗熱が取れて落ち着くと、バターや油脂分の甘みも感じられ、層になっている生地もサクサクしてきます。
冷凍庫での保存は密封が重要
業務用の冷凍パンは、焼きたてパンを工場で急速凍結して、おいしさや水分を閉じ込めた商品ではありますが、冷凍庫内は乾燥しているので少しずつ老化は進んでしまいます。開け閉めの多い冷凍庫では温度変化で霜が付いたり、他の食品のにおいが移ったりもします。密封の袋や容器で保存し、できるだけ早めに使用してください。
この記事で紹介した業務用の冷凍パン
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令和10年 6月17日
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東京都中央区日本橋1-1-1
西川 貴志
(ニシカワタカシ)
令和6年 5月16日
令和9年 5月15日
一般社団法人日本
ボランタリーチェーン協会









